白金というと、都内有数の高級住宅街です。
白金に住んでいて、近所の人と親交を持ち、ランチやディナーをプラチナ通りで楽しむ優雅なマダムのことを「シロガネーゼ」と呼ぶ人もいるほどです。
そんな白金ですが、「白金」と一口に言ってもそのエリアは広く、実際は下町のような雰囲気をもつ場所もあります。
今回は、白金で手ごろな値段で一人暮らしをすることができるのか調べてみました。
(1)白金という街
白金は港区にあり、目黒・恵比寿・麻布・三田などに近接しています。
この記事では、地名の「白金」と「白金台」を総称して白金エリアとしています。
江戸時代から豪族のお屋敷街だった場所で、現在も、特に白金台エリアは高級住宅街として名をはせています。
特におしゃれなレストランや商店が並ぶプラチナ通りが有名です。
また明治以降国有地だった歴史が長く、多くの自然が残されています。
今回内見してきた物件は2軒とも白金高輪駅から繋がる白金北里通り沿いにあります。
白金高輪駅周辺は近年開発が進んでいる地域ですが、白金北里通りは昔ながらの風合いを残しており、庶民的で下町らしい雰囲気を感じる通りです。
木造建築の家屋や、昔から愛されてきたらしい小さい商店や、古民家リノベのカフェなどが並んでいます。
(2)物件のご紹介
私が新卒社員として一人暮らしを始めるときに、予算的・条件的に住みたい家があるかを基準に物件を調べました。
具体的な条件としては
・バス・トイレ別
・水回りに清潔感がある
・駅徒歩20分以内
をおいています。その中で、できるだけ予算を抑えて住める場所を調べた結果、8万円前後の物件を2件見つけました。
1件目は、白金ではトップクラスの価格の、暮らしやすくなるような工夫が凝らされた物件です。基本情報はこちらです。
VITA白金101
家賃+管理費:7.5万円
敷金:7.3万円
礼金:-
面積:16.00㎡(1R)
東京メトロ日比谷線の広尾駅に徒歩12分、都営三田線・東京メトロ南北線の白金台駅に徒歩14分の場所にあります。
白金北里通りから1本裏に入ると、すぐに鮮やかなオレンジの壁が見えます。
玄関から入ると、左手に洗濯機とキッチンがあり、右手にお手洗いが付いています。
コンロはIHで、足元に備え付けの冷蔵庫が入っているのも嬉しいポイントです。
お手洗いは、ドアを開けるとトイレがあり、その奥に浴室の扉が付いている造りです。
浴槽は少し手狭ではありますが、白金でこの家賃で、清潔感のある浴槽が付いているのは貴重な気がします。
奥のリビングはこちらです。物件全体は16㎡で広くはありませんが、洗面所の作りなどが極限までスペースを有効活用しているので、リビングは十分な広さがあります。
居住スペースの手前側には収納があります。左側はクローゼットのように使えますし、右側は小物の収納としても、本棚としても、カラーボックスを入れて引き出しのようにも使えます。
物件全体の紹介としてはこれで終わりですが、この物件には暮らしやすくなるような小さな工夫がたくさんあったので、ご紹介します。
まずは「物をかける場所」です。
これは、玄関のドア横と、お手洗いの扉の横にあったフックです。ドアの近くなので、コートやカバンや、鍵をひっかけておくのに便利そうです。
これはリビングの左側の壁です。写真や絵がかけられるレールが付いていました。
これはリビングの正面の窓の前です。この穴に棒を通せば、室内干しも簡単です。1枚目の写真の通り、日中は窓から日差しが入ってきます。
これはリビングの右側の壁です。服をかけたり、ポケット型の収納をつるしたり、便利に使えそうです。賃貸は基本的に壁にものをくっつけることが難しいので、最初からフックなどがついているのは嬉しいですね。
また、この部屋は収納も充実しています。
それぞれ洗濯機・トイレ・シンクの上についています。床面積が広くなくても、上に収納が付いているので、物の置き場にはそんなに困らないかもしれません。
小さな中に暮らしへの工夫がぎゅっと詰まった物件でした。
2件目は、綺麗でゆとりのある物件です。基本情報はこちらです。
ラ・クール白金201
家賃+管理費:8.1万円
敷金:7.6万円
礼金:7.6万円
面積:20.89㎡(1K)
先ほどの物件から白金北里通りを白金高輪駅に進んでいった方向にあります。
駅は、東京メトロ南北線の白金高輪駅が徒歩8分、東京メトロ日比谷線の広尾駅が徒歩14分です。
周りにもマンションやアパートが並んでいました。2階へは外階段で上がります。
玄関から入ると、しっかりした「家」らしい間取りに心打たれました。
キッチンは玄関の右手にあります。横に小窓が付いていて、換気も万全です。左のスペースに冷蔵庫が置けるようになっています。
キッチンの反対側には、脱衣所があって、右手に洗濯機用のスペース・正面にトイレ・左手に浴室になっています。普段一人暮らし向きの安い物件を見ているので、脱衣所があるのは珍しく感じます。
トイレも浴室もとてもきれいです。浴室は、一人暮らしではあまりないくらいの広さではないでしょうか。
扉の奥のリビングも広々としています。窓が2か所あるので、明るい印象です。
ドアの横にはクローゼットがついていました。
ベランダは、洗濯物を干すには十分な広さです。また、こちらの物件も窓の前に室内干し用の棒がついていました。
ゆとりのある暮らしができそうな立派な物件でした。
(3)月収いくらで住めるのか
自分が新卒として一人暮らしを始めることを想定して計算してみます。
諸々の金額を予想するために、まずは自分がどんな生活をしてみたいか想像してみました。
普段の生活はほどほどに節約。休日は近所のおいしいカフェに行ったり、パンを買ったりしたい。月に1・2度会社の飲み会に参加。服や美容にもお金をかけたい。貯蓄は無理のない範囲で。
これをもとに、生活費を考えてみます。
(単位/万円)
食費:4.3
[基本の食費]2.5
[飲み会]0.5×2回=1.0
[カフェなど]0.2×4回=0.8
水道光熱費:1
通信費:0.7
交通費:0.4
[休日のお出かけ分]500円×8回=0.4
家具・生活用品:0.5
保険医療:0.5
被服・美容:2
貯蓄:2
水道光熱費・通信費・保険医療費は2021年の総務省の家計調査から、34歳以下の単身世帯の支出項目を参考に決めました。
住居費以外の生活費の合計が11.4万円になりました。
1件目に内見した物件の月額が7.5万円、2件目が8.1万円なので、
それぞれ生活費が18.9万円、19.5万円かかることになります。
その他にも雑費がかかるので、月の出費は20万円ちょっとになるイメージでしょうか。額面月収だと25万円~30万円くらいあると安心かもしれません。
厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計統計調査の概況』(2021年3月31日公表)によると、大卒の平均給与が約23万円なので、新卒で住むには生活面でもう少し節約する必要がありそうです。
もちろんもともとあまり贅沢をしない方なら、節約しなくても十分に暮らせる値段です。
それでは最後に、白金で暮らすメリットをまとめて、今回の記事は終わろうと思います。
①緑豊かで落ち着いた雰囲気
②都心へのアクセスの良さ
③レストランや休日の出かけ先の充実
④治安のよさ
⑤教育環境のよさ(名門大学が数多くあります)
これらのメリットを踏まえて、月8万円前後の家賃で綺麗な部屋に暮らせることを思うと、1人暮らしの環境としてとても魅力的なのではないでしょうか。
writer C.Yamada