東京には高級感漂うエリアがたくさんあります。
その中でも田園調布は、人気の高い高級住宅街です。
「田園調布」という名前は聞いたことがあるけど、どんな街なのか?
田園都市で安く一人暮らしをすることはできるのか?
この記事は、そんなことが気になっている方のためのものです。
田園調布について軽くご説明し、新卒でも背伸びすれば暮らせるような、すてきな物件をご紹介します。
合わせて、実際に田園調布を歩き回った記録と、おすすめのお店も記事にしますので、田園調布にお出かけの際はそちらもご覧いただけると嬉しいです。
(1)田園調布という街
田園調布は大田区にあります。落ち着いたきれいな街並みと、財政界の有力者や芸能人が多く暮らしていることで有名です。
もともとは畑が広がるのどかな場所でしたが、大正時代に渋沢栄一らによって開発され、現在のきれいな街並みが整備されました。
イギリスの都市計画専門家E・ハワードが提唱した田園都市から構想されています。駅の西側は道路が半円型に広がっているのが特徴的ですが、これはパリの凱旋門のエトワール式道路をモデルにしているそうです。
この海外の街づくりを積極的に取り入れた斬新なデザインと、都心からのアクセスの良さや、大地という地盤の強い土地などが人気を集め、人気の高級住宅街のひとつとなりました。
駅の西側は、区画が広くデザイン性の高い家が並んでおり、落ち着いた空気と美しい街並みが魅力です。
また、街路樹と生け垣で道に緑が溢れているのに加え、玉川大公園や宝来公園など大きな公園もあり、自然が豊かです。
上品で落ち着いた雰囲気の、一般的に思い浮かべる「高級住宅街」といった様子です。
駅の東側は商店街があり、魅力的なお店やレストランが並んでいます。
治安が良く、整った街並みに住みやすさをたっぷり感じられつつ、マンションやアパートも建っており、西側とはまた違う魅力のある街並みです。
今回ご紹介する物件は2件とも東側にあります。
(2)物件のご紹介
実際に若い人が一人暮らしをするにあたって、手ごろな値段で住める部屋があるのかを探して、内見してきました。
具体的には
- 家賃・管理費の合計が8万円未満
- バス・トイレ別
- 水回りに清潔感がある
- 駅徒歩20分以内
を条件に部屋を探し、そのうち2件をピックアップしました。
※ご紹介する物件は掲載時点での情報です。すでに募集が終了している場合があるので、ご了承ください。
1件目は、多摩川駅からせせらぎ公園を通って行くと、のどかな通り沿いにある「田園調布アパート」です。
田園調布駅からは商店街をまっすぐ進んだ先にあります。
基本情報は以下の通りです。
田園調布アパート101
家賃+管理費等:6万円
敷金:6万円
礼金:6万円
面積:21.60㎡(1K)
外観はこちらです。
中に入ると、日光が優しく入ってくる明るい部屋です。
玄関を入るとすぐ左手にキッチン、右手に浴室とお手洗いがあります。正面の居室はガラスの引き戸で仕切られています。
水回りはいずれも清潔感があります。
居室はこちらです。
右奥に押入れがあり、正面にはベランダに出られるガラス戸があります。
濃い色のフローリングとアイボリーの壁の内装で落ち着いた雰囲気です。
広さも、一人暮らしとしては十分です。
ガラス戸を開けると小さな物干しスペースがあります。
物干しスペースの奥には、奥のお宅のお庭があり、緑が広がっています。
私のお気に入りポイントは、居室を隔てるこのガラスの引き戸です。
レトロな透かしも好きですし、ガラス戸のフレームの色が絶妙でした。
よく見ると、ガラス戸のフレームの色は黄みがかったアイボリーで、壁側のフレームは青みがかったグレーなのが伝わるでしょうか。
小さなところですが、愛着が持てるポイントがあると、家に帰るのが楽しくなりそうです。
以上が1件目の物件です。
多摩川駅からの距離が近く、駅への道も公園を通るので、通勤通学が気持ちよさそうです。
年季は感じますが、全体的に清潔感があり、立地もとてもよく、住んでみたいと思える物件でした。
外から直接入れるアパートの1階ではありますが、昼は公園や近くの学校に通う子供が通り、夜は静かな街なので、土地柄セキュリティに大きな不安もなさそうに感じました。
街の雰囲気が良いことは、田園調布に住むことの大きなメリットになりそうです。
2件目は、環八通り沿いにある「スカイコート田園調布」です。
基本情報は以下の通りです。
スカイコート田園調布103
家賃+管理費:7.4万円
敷金:なし
礼金:なし
保証金:6.4万円
面積:20.35㎡(1K)
外観はこちらです。
宅配ボックスもついています。
土地の高低差からか入口が2階だったので、エレベーターで1階まで降ります。
玄関前の外廊下は少し薄暗いのですが、ドアを開けると、照明の明るさや内装の色からか、安心感があります。
玄関を入ってすぐの廊下には、左手に浴室とお手洗いがあり、右手に洗濯機設置スペースとキッチンがあります。
どれも清潔感溢れています。
二口コンロと、新しそうな換気扇が嬉しいです。
居室はこちらです。
内見に訪れたのは11月中旬の15時半ごろでしたが、窓の外の塀と植木で遮られて、日光はあまり入っていませんでした。
十分な広さがあり、壁には絵や写真をかけられるレールがついていました。
ドア横には奥行きのあるクローゼットが付いています。
部屋正面のガラス戸を開けると物干しスペースがあります。
窓から道路が見える位置ですが、2重に施錠できる鍵が付いておりセキュリティ面も安心です。TV付きインターホンもあったので、女性の1人暮らしに向いていそうです。
以上が2件目の物件です。
内装が非常にきれいで設備も新しく、実家に帰ってきたような安心感のある物件でした。
防犯を気にされる方も、安心して暮らせそうです。
田園調布でも、この値段でこの条件の物件に住めるのかと、驚かされました。
どちらも手ごろな値段ではあるものの、十分な清潔感と広さがあり、快適な生活ができそうな部屋でした。
では、実際にどのくらい収入があれば田園調布で暮らせるのでしょうか。
※上記物件は2022年11月時点での空室情報です。
賃貸の募集が終了している場合がございます。
(3)どのくらいの収入で住めるのか
自分が新卒として一人暮らしを始めることを想定して計算してみます。
諸々の金額を予想するために、まずは自分がどんな生活をしてみたいか想像してみました。
普段の生活はほどほどに節約。休日は近所のおいしいカフェに行ったり、パンを買ったりしたい。月に1・2度会社の飲み会に参加。服や美容にもお金をかけたい。貯蓄は無理のない範囲で。
これをもとに、生活費を考えてみます。
(単位/万円)
食費:4.3
[基本の食費]2.5
[飲み会]0.5×2回=1.0
[カフェなど]0.2×4回=0.8
水道光熱費:1
通信費:0.7
交通費:0.4
[休日のお出かけ分]500円×8回=0.4
家具・生活用品:0.5
保険医療:0.5
被服・美容:2
貯蓄:2
水道光熱費・通信費・保険医療費は2021年の総務省の家計調査から、34歳以下の単身世帯の支出項目を参考に決めました。
住居費以外の生活費の合計が11.4万円になりました。
1件目に内見した物件の月額が6万円、2件目が7.4万円なので、
それぞれ生活費が17.4万円、18.8万円かかることになります。
その他雑費が発生することを考えると、手取りが20万円ちょっとあれば生活できそうですね。
額面月収だと25万円くらいになるでしょうか。
厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計統計調査の概況』(2021年3月31日公表)によると、大卒の平均給与が約23万円なので、新卒でも少し背伸びすれば、田園調布のきれいな部屋に住めるようです。
多少背伸びしてでも住んでみたいと思ってしまうのは、実際に行ってみて田園調布での暮らしの豊かさを感じたからです。
次の記事では、田園調布の魅力についてたっぷりご紹介します。
1人暮らしを考えている方が、新しい生活に思いを巡らせたり、新しい物件の候補を見つけたりするきっかけになれれば、とても嬉しいです。
writer C.Yamada